「ピアノの練習はどれくらいしたらいいのでしょう?」
という質問をしたり、されたりしたことのないピアノ関係者はいないと思います。
実際にピアニストやピアノの先生に質問をしたことがなくても、おそらくピアノを習っている方全員に、この「ピアノの適切な練習時間や頻度はどのくらい?」という疑問が浮かんだことが一度はあるはずです。
もちろん、これは年齢や性格、体調、ライフスタイル、経験年数や目標などによって個人差が大きく異なります。
今回は、特にピアノを習い始めたばかりの方にぜひお勧めしたいピアノ練習方法を3つご紹介します。
5歳前後の小学校ご入学前のお子様から、趣味でピアノを始めた大人の方まで、幅広い年齢層の方に合うアプローチ方法です。
ぜひ最後まで読んで、日々の練習にお役立てください。
目次
ピアノ練習をルーティーン化する
まず最初に、そして必ず行いたいのは、ピアノ練習を日常生活に取り入れることです。
朝起きたら顔を洗ったり、帰宅したら手を洗ってうがいをしたり、寝る前に歯を磨いたりするように、「このタイミングでピアノを練習する」というルーティーンをつくってください。
それが毎日だともちろん良いですが、難しい場合は週5日前後を目指しましょう。
練習1回にかける時間の長さは、ピアノ練習のルーティーン化がまだ定着していない最初のうちは気にしなくて構いません。30分でも良いですし、3分(!) でも良いです。
ただし、必ず週5日前後を目安に続けてください。
大切なことは、全ての勉強やスポーツ、語学と同じように、ピアノも復習を重ねなければ上達しない、ということです。
2日間や3日間、2時間ずつ練習したとしても、その後放っておけば、身体や指は動かなくなりますし、記憶も定着せず、上達にはつながりません。
練習一回に費やす時間の長さを気にするよりも、ピアノ練習が次第に日々の生活の一部になり、繰り返し復習することができる環境を整える方が、上達を目指すためには絶対に大事です。
タスクを細分化する
ピアノを習い始めてすぐの場合、曲の長さはおそらく最初から最後まで通して弾いても15秒〜長くて30秒くらいで、まだ短いと思います。
それでも、まだ慣れないうちは、楽譜に書いてある音符やリズムを読んだり、拍子を数えたり、鍵盤上の音を探したり、指をバラバラに動かしたり、色々同時にやらなければいけないことが盛りだくさんです。
練習の時は、これら全てを一度に毎回行う必要はありません。
「今日はリズムの練習だけしよう。弾く代わりに手を叩いてリズムを確認しよう」
「今日は指の体操だけしよう。指を一本ずつ動かす練習をしてみよう」
「今日は完成したらどんなふうに聞こえるのか、トラック/お手本演奏を聴いてみよう」
このように、身につけたいテクニックを1回の練習につきひとつ、または無理せずできる数だけ選んで練習する、というふうに練習に取り組んでみてください。
また、毎回の練習では必ずしも曲の最初から最後まで練習する必要はありません。
例えば、毎回曲の冒頭から弾き始めるのではなく、最後の2小節だけ弾いてみましょう。
または、
「この小節だけ他よりテンポが遅くなってしまう」
「このフレーズは指が動きにくい気がする」
という箇所を見つけて、そこだけ練習してみてください。
先ほど、練習のルーティーン化の重要性について触れましたが、ここでも同じことが言えます。
同じ箇所を何度も繰り返し練習することが、必ず上達につながります。
さらに、少しずつ違う角度から練習することで、集中した効率の良い練習時間を過ごすことができます。
例えば、同じワンフレーズを練習する時にも、練習の重点を、リズムの正確さ、指の運びの滑らかさ、テンポ(速さ)の一定感、などと毎回移動させてみてください。
いつもの家でも、脚立に登って天井近くから見下ろす風景と、床の上すれすれから見上げる風景が全然違って見えるように、着眼点を変えることで、短い曲でもたくさんの練習ポイントを見つけられるはずです。
目標設定
どんなことでも良いので、目指したいことをひとつ明確に設定してみましょう。
「この歌を弾けるようになりたい」
「あの人に私の演奏でピアノを聴かせたい」
「ストリートピアノでこの曲を弾いてみたい」
「ジャムセッションができるようになりたい」
など、短期的な目標でも、いずれこんなことができるようになりたい、という目標でも、どんなことでも構いません。
繰り返し練習していれば、できていたはずのことが上手くできなくなってしまうスランプ状態を経験することがあります。
また、思うように進まない時や、停滞感や壁を感じる、と思うような時が必ず出てきます。
実はこれこそがプラトー(高原)現象という上達のための必須キーワードで、ここまで頑張ってきたからこそぶつかるステージであり、またこれを乗り越えることでさらに大きな上達につながるのですが、それでもやはりこの停滞感はモチベーションの低下につながります。
そのような時に、何のためにこれまで頑張ってきたのか、また自分が本当にやりたいことは何なのかをもう一度意識し直すことで、このようなブルーになりやすい期間を乗り越えやすくなります。
総括: ピアノ練習を通して充実感を感じられる毎日にするために
何度も記述しましたが、上達への鍵で一番大事なのは、一定量以上の繰り返し練習を行うことです。
また、どれくらい練習した、という練習時間の長さや量だけに着目するのではなく、色々な工夫をしながら、質の高い練習時間を過ごしましょう。
また、ピアノは、コツコツと継続して練習を積み重ねていくことも必須ですし、同時に練習やレッスンを受けている今この瞬間を思いきり楽しみながらピアノに向かうこともとても大事です。
周囲と比較しすぎず、焦らずに、今できることややってみたいことを楽しみながら挑戦できると良いですね!
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2022.4.3