Youtubeピアニストに触発されて、自分もピアノを始めるぞ!と意気込んだは良いもののすぐにつまずきそう・・・
ピアノを始めて1年が経つのに、思い描いていたほど上達しない・・・
長年ピアノのレッスンに通ったりしながらピアノ練習を頑張っているのに、上達している手応えを感じられない・・・
ピアノを練習していると、思い通りに練習が進まなかったり成果が見えてこなかったりして、落ち込んだりイライラしたりすることはよくあります。毎日ピアノに向かって何週間も練習を続けても、なかなか進歩の兆しが見えないこともありますよね。
もちろん、万人に通用する100点満点の練習方法など存在しません。それでも、練習のポイントさえおさえれば、ピアノの上達を早めたり、上達を実感したりすることができます。
今回では、そんなピアノの上達の速度を上げる、また練習のモチベーションを維持するための5つの重要なポイントをご紹介します。
「もう嫌だ!」と全て放り投げる前に、これらのポイントを押さえた練習ができているのか、ぜひ一度自分の練習方法を見直してみてください。
目次
練習する
あまりにも当たり前かもしれませんが、まずこれを上達への大前提として挙げます。
全ての勉強・スポーツ・語学・習い事と同じように、ピアノも一定以上の自主練習を重ねなければ身体や指は動きませんし、記憶も定着しませんので、上達することはあり得ません。
語学や音楽はただポッドキャストやテレビを聞き流すだけでは話せるようになったり演奏できるようになったりしませんし、スポーツも観戦しているだけでは自分もプレーできるようにはなりません。
ピアノ教室でレッスンを受けている時だけ楽器に触るのではピアノの上達はしませんし、スポーツクラブに行った時だけ運動するのでも運動神経は良くなりません。海外旅行に数日行ったからといって、せいぜい挨拶の言葉を覚えるくらいでその土地の言語を流暢に喋れるようにならないのと一緒です。
当たり前のことですが、一定量以上の自主的な練習を行うことは上達への大前提です。
練習計画に「スモールステップ」を取り入れる
ただ、一定量以上の練習を重ねる過程で、何らかの壁にぶつかって挫折したり、モチベーションを失ったりすることは、子供に限らず大人にもよくあることです。
例えば、ただ「今よりもっと上手にピアノが弾けるようになりたい」「あの人くらい素敵なピアノ演奏ができるようになりたい」などの漠然とした目標しか持っていないと、学習や練習を段階を追いながら進めることができず、目標達成までの道のりが果てしなく長いように感じてしまいます。
必要以上の挫折を感じたり、モチベーションを下げたりしてしまわないために、普段の練習や目標にスモールステップを導入することがおすすめです。
日本語に直訳すると「小さな階段」となるこのスモールステップは、アメリカの心理学者バラス・スキナー氏によって提唱された、目標を細分化して一つずつのステップを確実に達成することで、最終的な目標へと近付けるという、目標達成のための方法です。
元々は主に教育現場や心理手法の現場で使われていた手法ですが、この方法の導入によってモチベーションを維持したまま、大きな目標の達成確率を上げることが可能になるという効果が認められ、現在では人材開発・ビジネス・スポーツなどの幅広い分野で活用されています。
人間の脳がやる気を出すためには、「報酬系」という脳の回路を満足させる必要があります。そのためには、報酬という名のとおり「ご褒美」が必要で、基本的には以下の2つがこの「ご褒美」にあたります。
- 達成できそうな課題に取り組むこと
- 課題を達成したという成功体験を得ること
スモールステップでは、この2つの「ご褒美」システムを的確に刺激して「報酬系」を満たしてくれます。これにより、とても効果的にやる気やモチベーションを持続させてくれるのです。
これを達成したい!という目標までの道のりを、1ステップにつき5分〜30分程度でこなせるようなスモールステップに細分化してみましょう。
ピアノの練習に置き換えると、例えば、「今度の発表会で上手に弾きたい」を目標にした場合、「今日はこの2小節をメトロノームに合わせて弾けるようにする」「この週末で、この1フレーズを3回連続で正確に弾けるようにする」「今日の練習では、これまでバラバラに練習してきた2つのフレーズを繋げて弾けるようにする」などでしょうか。
それぞれの年齢とレベル、日常生活におけるピアノ練習の優先順位に合わせて、いつもの練習にスモールステップのエッセンスを取り入れてみてください。
録音/録画する
「百聞は一見にしかず」「人の振り見て我が振り直せ」と古くからのことわざにもあるように、実際に見たり聞いたりした経験から学ぶものは多いです。
それと同じで、自分の演奏を客観的に聴いたり見たりすることから得る学びは非常に大きく、練習効果も抜群に高いです。
練習中に十分自分の演奏に耳を澄ませている、と思っていても、主観的に聞こえるものと客観的に聞こえてくるものは違います。
もしくは、練習に熱中しすぎて、実は気づかないところで変な癖がついているかもしれません。
一度冷静になって自分の練習や演奏を見直す方法として、録音/録画することをお勧めします。
また、これは前項の「練習計画にスモールステップを取り入れる」とも繋げることができます。
例えば、「●月○日までに動画を撮ってみる」というスモールステップを組んだら、それまでにどのような練習を重ねると良いのか、練習計画を立てることもできますね。
「『△×(曲のタイトル)弾いてみた』動画をSNSに投稿する」という目標でも良いかもしれません。
なによりもこの練習方法の成果として大きいのは、自分で気づきを得られることです。
いくら本を読んだり、レッスンを受けたりして、知識やアドバイスを得ても、それらをインプットしただけでは、レベルアップするにはまだ足りません。それらがまだ借り物の状態で、本当に自分のものになったわけではないからです。
ピアノを上達するには、この受動的な学習姿勢から抜け出して、自ら意識的に注意を向けたり、気付きを得たりするプロセスがとても重要です。
自分の演奏を録音したり録画したりすることで、理想と現実のギャップに気付いたり、何が足りないのかについて自ら考えることは、上達への大きな一歩になります。
レッスン後すぐに復習する
「一日どのくらい練習したら上達するのか」
頻繁に受ける質問ですが、どのくらい練習するか、と同じくらい、いつ練習するか、にも着目してみてください。
人が何かを学んだ時、20分後には42%忘れ、1時間後には56%、1日後には67%、2日後には72%忘れるといいます(エビングハウスの忘却曲線)。
このエビングハウスの「忘却曲線」に出てくる数値自体はあくまでも参考ですが、年齢に関係なく学んだ直後から物忘れは始まりますし、最初は一気に忘れて、次第にゆっくりと忘れるようになります。
せっかく頑張ってレッスンを受けて、色々なアドバイスをもらっても、その内容を忘れてしまってはなかなか上達につながりません。
レッスンで得た発見や学びをお子様の上達に、ひいては達成感や自信に繋がりやすくするために、復習はなるべく早い段階で行いましょう。
どうしても時間の関係でその日中に復習できない場合は、講師側に了承を得た上で、レッスン内容を録音・録画しておくのも有効な方法です。
総括: 工夫しながら、質の高い練習時間を過ごそう
最初に記述したように、一定量以上の自主的な練習を行うことは上達への大前提です。
ただし、どれほど練習を行うかは、それぞれの年齢とレベル、日常生活の中でピアノが占める優先順位、またその時の諸事情に大きく左右されます。
どれくらい練習したか、という練習量だけに着目するのではなく、色々な工夫をしながら、質の高い練習時間を過ごしましょう。
また、ピアノは、コツコツと継続して練習を積み重ねていくことも必須ですし、同時に練習やレッスンを受けている今この瞬間を思いきり楽しみながらピアノに向かうこともとても大事です。
周囲と比較しすぎず、焦りすぎずに、今できることややってみたいことを楽しみながら挑戦できると良いですね。
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2021.6.4