アメリカ発の大人気ピアノ教本『はじめてのピアノアドヴェンチャー』はこんな子供に向いている

今回は、近年ピアノレッスンの教本として人気が高い『ピアノ·アドヴェンチャー』シリーズの中から、4歳〜6歳の幼児向けシリーズはじめてのピアノ·アドヴェンチャーについてご紹介します。

当ピアノ教室【杉並ピアノサロン】でも、ご希望の方にこのピアノ・アドヴェンチャーシリーズを使用したレッスンを行っています。
杉並ピアノサロンのピアノレッスンについてはこちら

 

まず、このピアノ・アドヴェンチャーシリーズがどんなピアノ教本なのかざっくりとご紹介してから、特にどんなお子さんに向いているのか、またどんなピアノの先生にとって使用しやすいのかについて考えたいと思います。

 

目次

『ピアノ・アドヴェンチャー』シリーズ



『ピアノアドヴェンチャー』は、アメリカ出身のナンシー・フェイバー、ランディー・フェイバー夫妻によって作られたピアノ教本です。このご夫妻は、お二人とも、作曲・ピアノ演奏・ピアノ教育という幅広い領域で活躍されています。
ピアノ・アドヴェンチャーは、発売されてから、英語はもとより、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、中国語など多くの言語に翻訳されて世界中のピアノレッスンで使用されています。もちろん日本語もあります→日本語版ピアノ・アドヴェンチャーの公式サイトはこちら(外部リンクへ飛びます)

 

シリーズの種類と対象年齢

ピアノ・アドヴェンチャーには、大まかに分けると、未就学の幼児向けシリーズはじめてのピアノ·アドヴェンチャー』と、小学生以上を対象としたベーシック・シリーズピアノ·アドヴェンチャー』の2つのシリーズがあります (それぞれのシリーズ内で、レベルA, B, C、またレベル1. 2. 3といったように、さらに細かくレベル分けされています)。また、英語版では大人用のオール・イン・ワン・ピアノ教本も発売されているのですが、日本語版は(まだ)取り扱いがないので、ここでは割愛します。

さらに、クリスマスシーズンにぴったりの曲だけを集めた楽譜や、レベル別にアレンジされたディズニー曲集なども発売しています(上から順番に、ピアノレッスンを始めて1年くらいの小さなお子さん向け、ピアノレッスンを始めて2年位のお子さん向け、ピアノレッスンを始めて4年以上の方向けのレベル)。

シリーズの指導理論

ピアノ・アドヴェンチャーの公式ホームページを読むと、指導理論について以下のように記載されています。

指導理論は、フェイバー夫妻の提唱する『ACE:分析(Analysis)、創造(Creativity )、表現(Expression)』に基づいています。分析は理解に、創造は自己発見につながり、表現することは子供たちの芸術性を育てます。(ピアノ・アドヴェンチャー日本語版オフィシャルページ (Piano Adventures)より抜粋)

つまり、幼児期の最初のレッスンから、「(音楽を) 読む・聴く・書く・弾く」を通してピアノ演奏について多角的に学びながら総合的な音楽のちからを養うことを目的に作成されたピアノ教本だ、ということです。

 

幼児向けシリーズ「はじめてのピアノ・アドヴェンチャー」

ピアノ教本はじめてのピアノアドベンチャー

4歳から6歳の幼児を対象にした「はじめてのピアノ・アドヴェンチャー」シリーズは、A, B, Cの3つのレベルに分かれています。

  • Aレベル: ピアノという楽器に親しむことを目的とした一冊。音の強弱・長短・高低を弾き/聴き比べたり、五線譜を使わずに書かれた曲を弾いたりする。ストーリーに沿うように、または指番号を使いながら作曲体験をさせるところが特徴的。
  • Bレベル: 楽譜(五線譜)を読みながらピアノを弾く練習を段階的に始める。メロディーのパターンを把握を促しながら楽譜を読む練習を重ねることで読譜力の基礎を養うところが特徴的。
  • Cレベル: AレベルとBレベルで培った読譜力や楽典の知識をさらに深めていく練習。Bレベルの時には順次進行(隣同士の音を弾く)が主だったのに比べ、Cレベルでは跳躍進行(音と音の距離が離れている)が増えてくる。

各レベルには、曲が中心の「レッスンブック」と、自分で文字や絵を描き込むワークブック形式の「ライティングブック」があります。レッスンブックには付属CDが付いており、賑やかな伴奏や歌声を聴きながら掲載されている全ての曲を練習できるような仕組みになっています。また、この付属音源は、iPhoneやiPadなどのiOSであればアプリを無料でダウンロードすることも可能です。

「はじめてのピアノ・アドヴェンチャー」の3つの特徴

前項でも少し触れましたが、「はじめてのピアノ・アドヴェンチャー」の大きな特徴を以下の3点にまとめました。

 

作曲体験や自由演奏をさせる

はじめてのピアノアドベンチャーの使用法

一番初めのAレベルから、楽譜を読んでその通りに弾く代わりに、ストーリーまたは1枚のイラストに合うような自由演奏を促すことが要所で出てきます。
例えば、Aレベルでは、親子の象が歩いているイラストを見て、フォルテで弾くのか/ピアノで弾くのか、高い音で弾くのか/低い音で弾くのか、速く弾くのか/ゆっくり弾くのか、お子さんご自身に試していただきます。
これがBレベルになると、先生はブギやワルツなどの伴奏を弾き、お子さんはそれに合わせていろいろな高さのドだけ弾いたり、ドレミだけを弾いたりします。
さらにCレベルになると、「ドのスケール(ドレミファソ)」や「ソのスケール(ソラシドレ)」を指定のリズムに合わせて書きながら自分だけのメロディーを作曲します。

このように、段階を踏みながら自分で音楽を(メロディーを)作ってみる、という体験をできるところが「初めてのピアノ・アドヴェンチャー」シリーズの大きな特徴です。

 

曲のパターンを把握させながら読譜力を養う

譜読みの上達はパターン把握がポイント

ほとんど全ての音楽は、リズム・メロディーなど音楽の構成要素の繰り返しによって成り立っています。
何がどこで繰り返されているのかというパターンを、視覚または聴覚から(または両方から)把握できるようになると、いちいち全ての音を一つずつ読む必要がなくなるので、読譜力と音楽への理解力が飛躍的に向上します
「ピアノ・アドヴェンチャー」シリーズでは、幼児期のBレベルからこのパターン把握の練習に取り掛かります。
最初は、4小節の短いメロディーの中で繰り返されている小節を発見する、というところからスタートします。このステップを何度も繰り返すことで、次第に曲のパターンを把握することに慣れ、譜読みのスピードが上がったり、ハ長調で書いてある曲をト長調へパッと移調できるようになったりします。

 

付属音源の再生スピードを変えられる

前述しましたが、全てのレベルのレッスンブックには付属CDが付いており、賑やかな伴奏や歌声を聴きながら掲載されている全ての曲を練習できるような仕組みになっています。また、この付属音源は、iPhoneやiPadなどのiOSであれば無料でダウンロードすることも可能です。
このiOSバージョンに限られた話なのですが、アプリで付属音源の再生スピードを1〜150%まで変えることができます。つまり、非常に遅く再生しながら練習することも、標準の速さで再生しながら完成した時の雰囲気を掴むことも、非常に速く再生しながら楽しむこともできるのです。
これは、まだメトロノームに合わせて練習ができないお子さんがテンポ感やリズム感を身につけるためにとても効果的な方法だと思います。
また、収録されている伴奏や歌声が複数の人数によるもので賑やかなので、誰かと一緒に演奏している、という感覚を持って飽きずに練習できるのも魅力的です。

 

総括:「ピアノ・アドヴェンチャー」はこんなお子さんと先生に向いている

はじめてのピアノアドベンチャーで笑顔のピアノレッスン

「ピアノ・アドヴェンチャー」が何を目的に作成されたシリーズなのか、また対象年齢とシリーズの特徴について見てきました。

このシリーズの良いところは、ピアノの先生とピアノレッスン中に連弾しながら楽しんだり、新しい音楽の知識を増やしたりするだけでなく、レッスン中に得た体験や知識を元にして自らいろいろな音を出したり、曲を作ったり、自分なりに工夫して音楽を多角的に経験することができる点です。

ですので、ピアノという楽器に興味があって親しんでみたい、ピアノでどんな音が出せるのか自分で色々チャレンジしてみたい、元々お話を考えたり絵を描いたりするのが好きで、音を出すことにも興味が出てきた、というお子さんに特に向いていると思います。

逆に、新しいことへチャレンジすることに抵抗があったり、 アイディアを応用することが嫌いだったり、先生から言われた指示だけをこなしたいお子さんには向いていないかもしれません。

ピアノの先生にとっても同じことです。

生徒さんが、特に小さいお子さんが何か新しいこと、特に創意工夫を求められることにチャレンジするときには、想像がつかないことがたくさん起きます。自分のこれまでの常識を超えるものと対峙したときに一緒に新しい可能性を楽しめる、と思う先生にはお勧めしますが、どうしたら良いかわからないし手に負えない、と思う先生は使用しない方が良いと思います。

ただし、どちらの場合でも、一度ピアノ・アドヴェンチャーの公式ページに掲載されている「レッスン動画」をご覧になることをお勧めします!→ピアノ・アドヴェンチャー日本語版オフィシャルページのレッスン動画はこちら

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2021.6.9

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