オンラインでピアノレッスンを受けるためには何が必要 ? まずはこれを揃えましょう(第2回)

前回の記事で、ピアノのオンラインレッスンとはどんなものか、またオンラインレッスンならではの魅力や気をつけたい点についてご紹介しました。
(→第1回: ピアノのオンラインレッスンってどんなもの?ピアノレッスンをオンラインにするメリットと注意点 )

今回は、ピアノのオンラインレッスンに必要なツールと、より快適にオンラインレッスンを受けることができて、さらに学習パフォーマンスを上げるグッズをご紹介します。

目次

オンラインレッスンで使う通信アプリ(インターネット通話サービス)

前回の記事で、オンラインレッスンを受けるためには通信アプリをダウンロードする必要があることと、通信アプリの代表例についてざっとご紹介しました。

今回の記事では、それぞれのアプリによって対応する機器の種類や共有機能がどのように違うのかまとめました。

 

LINE

オンラインレッスン用LINE

LINEは、なんといっても日常的に利用されている方の数が他のツールと比べて群を抜いて多いため、オンラインレッスンまでに漕ぎ着けるハードルが最も低いです。
アカウントを持っていないと使用できませんが、すでに利用している方は新たなインストールやアカウント作成が不要なので、とにかく気軽にオンラインレッスンを始めることができます。

アプリはPC版もありますが、一般的なのはスマートフォン版またはタブレット版です。
スマートフォンまたはタブレット端末を使用される場合がほとんどなので、画面が小さくても集中力が持続する方、移動先でも気軽にオンラインレッスンを受けたい方に向いています。

使用する通信量が少ないので、安定して通話できるところも魅力です(ただし音質は通信量に比例するので高くありません)。

また、リアルタイムで通話を行いながら受けるタイプのオンラインレッスンだけではなく、演奏動画やアドバイス動画を交換し合うこともできます。

 

Skype

オンラインレッスン用Skype

Skypeは、PC・スマートフォン・タブレット (AndroidとiOSの両方)など、使用する端末を選ばずに幅広く使用できるビデオ通話アプリです。
古参の通話アプリとして他のアプリが普及する前からその知名度は高く、特にLINE世代以前からインターネット通話サービスを使用していらっしゃる場合はすでにアカウントをお持ちの方も少なくないと思います。
後述するZOOMと違うのは、自分のアカウントを持っていないと使用できない、という点です。まずはアカウントを作成する必要があります。その後、ユーザー名などからお互いに「友達」に追加して、承認されたらオンラインレッスンを始めることができます。

ただ、アカウントを持っているからこそのメリットもあります。それは、オフラインでも楽譜やレッスンに必要な参考資料を交換することができることです。Skypeにはチャット機能やファイル送信機能があるので、メールアドレスや他の連絡先をシェアしなくても、レッスンに関するコミュニケーションツールをSkypeに一元化できるため、情報が整理しやすいです。

また、データ通信量が多いので、使用前提として安定した高速のインターネット回線に接続していることが条件です。

レッスンを始める際は、ユーザー名などからお互いを友人に追加し、承認されたらレッスンを開始する形となります。

 

ZOOM

オンラインレッスン用ZOOM

当教室ではこのZOOMを主に利用したオンラインレッスンを行っています。
比較的新しいツールですが、学校の教育現場や会社のミーティング、語学レッスンなどでも幅広く使用されているため、10代〜50代の方を中心に使用されたことがある方も多いのではないでしょうか。

このツールは、講師側がZOOMで「ミーティングルーム」と呼ばれる共有URLを生徒に送信して、生徒側はそこからアプリをインストールするだけなので、気軽に始めやすいです。

「ホワイトボード」と呼ばれる画面を共有して、講師側と生徒側の双方から同じ画面に色々書き込んだり資料を見せあったりすることもできます。

ただし、Skypeはオフラインでも楽譜や画像などのデータが送ることができますが、ZOOMでもこの機能を使うためには少し設定が必要です。ざっくり言えば、ZOOM上で「連絡先(アカウント情報)を交換」すれば、ミィーティング/オンラインレッスンの時間内以外にもメッセージやファイルを交換することができます。

また、1対1で通話を行う場合は時間の制限なく無料で通話できますが、グループミーティングを行う場合は40分までという制限がかかります(有料プランでは制限が無くなります) 。

かつてはセキュリティの脆弱性が懸念されたこともあるZOOMですが、現在ではかなり安全面における改良が進みました。Facebookアカウントとの紐づけを廃止して個人情報が流出しないようにしたり、さらにミーティングの参加者を許可制にしてパスワードを二重に設置したりに段階認証を行うことでセキュリティーを強化しています。

 

Facetime

オンラインレッスン用FaceTime

FaceTimeは、iPhoneやiPadなどのiOS搭載端末、MacBookやiMacに標準搭載されているビデオ通話アプリです。
万が一オンラインレッスン時間をうっかり忘れていたとしても、電話のように呼び出しができるので、気づいたらオンラインレッスンをすっぽかしていた、ということを防げます。
ただしその機能は比較的限られており、例えば画面共有はMac同士なら可能ですが、片方がiPhoneやiPadだと画面共有はできません。
このアプリ自体の使用も、Apple製品ユーザー同士に限られています。

 

GoogleMeeting/Duo

オンラインレッスン用GoogleMeeting

GoogleMeetは、Googleアカウントを持っている方なら誰でも利用できるビデオ通話(会議)ツールです。
このアプリは、パソコン、スマートフォン、タブレットなどすべての端末から利用できる上、パソコンを使用する場合に限りWeb上から利用できるので専用アプリをダウンロードする必要はありません。

また、安全性に対する信頼も高く、ZOOMと同じように「画面共有」機能を使うこともできます。

無料で使用できるのは60分までで、有料版ではその制限が無くなります(2021年6月末までは無料版でも時間無制限で使用できるキャンペーンを行っているようです)。

 

オンラインレッスンを快適にするグッズ

オンラインレッスンは、インターネット環境があって、且つ、ご自宅や音楽スタジオなどピアノを演奏することができる場所であれば、場所を問わずに受講することが出来ます。

さらに、下記のようなグッズを使うとオンラインレッスンをより快適に受けることができます。

スマホ/タブレット/パソコンスタンド

画面の角度調整がしやすくなり、映像の撮影しやすさや画面の見やすさが格段にアップします。300円均一などで販売されているリーズナブルなものから5000円程度のものまで様々です。

マイク/外部スピーカー

外付けのマイクやスピーカーを使うことで、高音質で臨場感のあるオンラインレッスンを受けることができます。大変高価なものもありますが、4000円程度の手に入れやすいものもあります。

イヤホン

周囲の生活音に邪魔されることなく、集中してオンラインレッスンに取り組むことができます。耳を覆ったり、耳の中に直接イヤホンを入れるのを避けたい方には、骨伝導タイプのイヤホンもお勧めです。

タブレット用のペン

Apple pencilに対応する端末をご使用でしたら、楽譜や共有画面への書き込みがしやすくなります。

有線LAN(+専用アダプタ)

もしご家庭内でルーターをお使いになっていたり、お部屋に有線LANポートがあるようでしたら、ルーターと端末に有線LANを繋げることを強くお勧めします。ほとんどの映像や音声の乱れを防ぐので、安定して高音質と高画質のオンラインレッスンを受けることができます。メーカーや製造年、ケーブルの長さなどによりますが、ほとんどの価格は500円〜1500円前後です。
また、ランポートが無いノートパソコンやタブレット・スマートフォンにも、専用アダプタを繋げれば有線接続することができます。これもタイプによって価格は異なりますが、800円程度から入手可能です。端末によって使用できるアダプタの種類が異なるので、ご使用中の端末に対応する専用アダプタはどれなのか、事前に確認してください。

 

総括: どんなオンラインレッスンが自分に合うのか考えて、どんな準備をするか決めましょう

ピアノ+インターネット環境とそれを使える端末+ピアノを演奏することができる場所(ご自宅か音楽スタジオ)が揃えば、すぐにピアノのオンラインレッスンを始めることができます。

さらに、少し工夫を加えると、ピアノのオンラインレッスンをさらに快適に受けることができます。

大前提として、オンラインレッスンの質や学習パフォーマンスの程度は、講師側・生徒側両方の「通信速度」「機器の種類」「外付けマイクヘッドフォン・スピーカーの使用有無」などの使用環境によって、また生徒側の「年齢」「進度」「レッスンの目的」「優先順位」によっても異なります。
どんなツールやグッズがご自身に合っているのか、是非イメージしながら、また実際にオンラインレッスンを体験しながら探してみてください。

 

 

次回の記事では、ピアノのオンラインレッスンを受ける際、スマートフォンやタブレット・パソコンなどの端末をどこに設置すると良いのかなど、オンラインレッスンの事前準備についてご紹介します。

 

当教室のオンラインレッスンについてはこちら

次回の記事: タブレットやパソコンはピアノの近くのどこに設置するのが良い?オンラインレッスンの事前準備 (第3回)

オンラインレッスン

2021.6.3

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